日本では4月になると、各学校で新入生を歓迎する入学式が執り行われるのが
当たり前の風景ですよね。
しかし、実は英語圏の多くの国々では
このような入学式の習慣がないのをご存知でしたか?
英語圏で入学式がない理由
アメリカ、カナダ、オーストラリア、イギリスなど英語圏の国々では、
日本で行われるような”entrance ceremony”(入学式)は一般的ではありません。
その背景に、これらの国における義務教育制度の違いがあります。
たとえばアメリカでは、小学1年生から高校3年生までの12年間が
義務教育期間“compulsory education period“となっています。
小中高校が一貫したsingle school(単一校)として運営されていることが多いのです。
つまり、日本の制度とは異なり、小学校から高校まで同じ学校に通い続けるケースがほとんどなのです。
そのため、新しい学年が始まっても、生徒は同じ学校のnew grade(新学年)に進むだけです。
入学する必要がないため、特別な式典を開く必要がないわけです。
一貫校でない場合でも、新学期が始まるとそのまま授業が開始されます。
大学では、新入生オリエンテーションのようなものが行われることもありますが、
日本のように正装して、厳かな雰囲気の式とは程遠いものです。
アメリカの高校での新学期スタート
私が通っていたアメリカの高校では、
新学期の約1週間前に“Orientation week”(オリエンテーション週間)と
呼ばれる期間が設けられていました。
これは新入生が新しい環境に慣れ、準備を整えるための期間です。
オリエンテーション週間中は、
新入生のための様々なイベントが開催されます。
受講する授業の登録、学生証の発行、校内施設の案内ツアー、
クラブやスポーツチームの紹介などがその例です。
そして新学期初日の前夜には、カジュアルなdance party(ダンスパーティー)が開かれます。
これは夏休み(アメリカの新学期は9月)の締めくくりを兼ねたイベントです。
翌日からはいよいよ本格的な授業が始まるのです。
このように、英語圏の国々では入学式という習慣はありませんが、
新入生が新生活に慣れるための配慮はされています。
日本の入学式とはまた違った形で、
新入生を歓迎しているのがわかります。
文化の違いは小さなことからも見え隠れしますね。
*日本の「入学式」を英語で説明するには?はこちら