母の日は、母親に感謝と愛情を表す特別な日として、世界中で広く知られています。しかし、その起源や祝い方は国によって異なります。今回は、母の日の歴史と世界各国の過ごし方について探ってみましょう。
母の日の起源
母の日の起源は古代ギリシャやローマ時代の祭りにまで遡る説などもありますが、
現代の母の日は19世紀のアメリカで始まりました。
アメリカの活動家アナ・ジャーヴィスが、亡き母を偲び、
母親への感謝を示すために「母親の日」を提唱しました。
1914年、ウッドロー・ウィルソン大統領によって正式に「母の日」が制定され、
以来、世界中に広まっていきました。
世界各国の母の日の過ごし方
現在、多くの国では5月の第2日曜日を母の日としていますが、
国によって2、3月や11月など、異なる日に祝う場合もあります。
母の日の過ごし方や贈り物の習慣も、国ごとに特色があります。
●アメリカの母の日
アメリカでは、カーネーションを始めとする花束やカードを贈るのが一般的です。
実はカーネーションをあげる文化はアメリカ発祥であると言われています。
が、今は、カーネーションに限らずひまわりやバラなど様々な花や花束とカードをプレゼントするのが主流となっています。
また、自分の母親のみならず、全ての母親を称える日という認識が強いので、祖母や姉妹などにもカードを送って感謝を表します。
家族で外食をしたり、母親の家事の負担を軽減するために、子供たちが家事を手伝うこともあります。
●フランスの母の日
フランスでは、5月の最終日曜日が母の日です。
子供たちが手作りのカードや詩を贈り、家族で一緒に過ごすことが多いようです。
●イギリスの母の日
イギリスでは、「Mothering Sunday」と呼ばれる母の日があります。
これは、イースターの3週間前の日曜日に当たります。伝統的には、シムネルケーキ(Simnel cake)を食べ、ラッパスイセンの花を贈ります。
この日は、中世から使用人として働いていた人々が、母の教会(Mother Church)に帰省し、母親に会うことが許された日でした。
このMothering Sundayに欠かせないのが、「シムネルケーキ」です。シムネルケーキは、フルーツケーキの一種で、マジパンで覆われています。
ケーキの上には、11個のマジパンボールが飾られています。これは、キリストの12使徒から裏切り者のユダを除いた11人を表しているとされています。
シムネルケーキの起源は諸説ありますが、一説によると、中世のイギリスで、四旬節(復活祭前の40日間)の中間の日曜日に、断食の例外として認められていたお菓子だったといわれています。当時は、ケーキの材料を家族で持ち寄り、一緒に作ったそうです。
現在でも、イギリスの母の日には、家族でシムネルケーキを囲み、ティータイムを楽しむ習慣が続いています。
●日本の母の日
日本では、アメリカの影響を受けて、5月の第2日曜日が母の日とされています。カーネーションを贈るのが定番ですが、最近では、母親の好みに合わせて、様々なギフトを贈る人も増えています。
母の日は国によって過ごし方は異なりますが、共通しているのは母親への感謝と愛情を示すことです。日頃の感謝を込めて、心のこもったギフトを贈ってみてはいかがでしょうか。母親の笑顔が、何よりの贈り物になるはずです。